黄金の門をくぐって

メイベル・コリンズ著『黄金の門をくぐって』の日本語訳を掲載します。

1章

この精神的苦痛と努力を無駄にすることへの治療法は何だろうか。それは一つだけだろうか。確かに人生にはロジックがあり、生きることを可能にする法則がある。そうでなければ混沌と狂気だけが到達可能な状態となろう。 最初のカップ一杯の喜びを飲む時、魂は…

怠惰は実のところ、人々の不幸の種である。アイルランドの粗野な者や世界に広く移り住んだジプシーが、とてつもなく怠惰なために堕落と貧困の中に暮らすのと同じように、粋人も同じ理由で感覚的な喜びの中に甘んじて暮らしている。上等なワインを飲み、おい…

終わりに達し、目標に到達し、もうすることはないと思われる時――ちょうどその時に、人は食べるやら飲むやら、心地よく生活するといったように獣のようにするしかないようだ。そして死のような懐疑論も――。実にその時もし目を向けたならば、黄金の門は目の前…

人々が望んでいるのは、いかにして苦しみを喜びと取り替えるかをつきとめることである。それは、体験上最も心地よかった感覚を得るには意識がどのように規制されればよいかを見つけ出すということである。このことを人間の思考の力によって見つけることがで…

悲しみと倦怠感から生じたこの質問は、見たところ本質的に一九世紀の精神の一部分であるように思えるが、実際はすべての時代にわたって問われてきたに違いない。歴史を理知的にさかのぼってみると、その問いは文明の花が満開に咲いた時、そしてその花びらが…

おそらく今と同じようにこれまでも、かなり多くの人が人生の重荷から逃れるために自殺しようとしてきた。そうすることで完全に忘れ去ることができると確信しているから、そうするのだ。しかし存在の仕方が変化するだけであるとためらい、そしておそらくもっ…

1章 喜びの探求 Ⅰ

私たちはみな、苦痛と呼ばれる厳しい状況についてよく知っている。不思議なことに、最初にそう思われるように、苦痛ははっきりとした方法をとらせ、確固たる、とぎれることのない粘り強さを追求させる。苦痛が完全にずっと続くことはない。そうでなければ人…