黄金の門をくぐって

メイベル・コリンズ著『黄金の門をくぐって』の日本語訳を掲載します。

5章 強さの秘訣 Ⅰ

 前進する強さが、自分の道を選んだ人に最初に必要なものである。これはどこにあるだろうか? 見回すと、他の人たちがどこで自分の強さを獲得しているかを知るのは難しくない。その源は、深い信念である。この大いなる道徳力は、たとえ彼がひ弱であろうと、行って征服することを可能にする、人間の自然な人生の中で生まれる。何を征服するのだろうか? 大陸ではなく、世界でもなく、彼自身をである。この至高の勝利によって、全体への入口が得られる。そこでは、努力により打ち勝って手に入れるだろうものはすべて、すぐに彼のものではなく、彼自身になる。

 甲冑を身に着けて戦闘へ出発すること、戦いに急ぐあまり死の危険を冒すことは、容易なことだ。世界の騒音の真ん中でじっとしていること、体の動揺の中で平静を保つこと。感覚と欲望の千の叫び声に囲まれて沈黙を保つこと、それからすべての甲冑をはぎ取り、急ぎも興奮もせずに致命的な自我の蛇を捕え、それを殺すことは、容易なことではない。けれどもそれは為さねばならないことである。そしてそれは、敵が沈黙に困惑させられる平衡の時にだけ、為され得る。

 しかし、この最高の瞬間には、戦場に必要な英雄がいないというような強さが必要である。偉大な戦士は、自分の動機の正しさと、やり方の公正さについての深い信念で満たされていなければならない。自分自身と戦って、その戦いに勝つ人は、次のことを知っている時にだけ勝つことができる。つまり、その戦いで彼はする価値のある一つのことをしていて、それをすることで彼は彼に仕える者として天国と地獄に打ち勝っている、ということを。そうだ、彼はその両方の上に立つ。彼は末長く約束された報酬として喜びのやって来る天国を必要としない。彼は罪を罰する苦しみが待ち構えている地獄を恐れない。彼は打ち勝ち、自分自身の中にいる蛇を、これを最後と殺したのだ。絶えることのない接触の欲望と、永遠に続く喜びと苦痛の探求によりあちこちへ向かう蛇を。未来についてどう考えようとも、ひとたび本当に勝利した彼は二度と震えたり、歓喜を増大させたりすることはあり得ない。彼の存在の唯一の証明と思えた、燃え立つような感覚は、もはや彼のものではない。それならば彼はどうやって自分が生きているとわかるのだろうか? 論証によってのみ、わかるのである。だがそれについて論証することに、彼はそもそも関心がない。それゆえに彼にとって平和がある。そしてその平和の中に、自分が切望した力を見つけるだろう。その次に彼は、山々を動かせるあの信仰とは何であるかを知るだろう。